携帯電話サービスの用語集
目次
ハンドオーバー
MNO
MVNO
SIM
SIMの規格
SIMカード
eSIM
iSIM
USIM
USIMカード
SIMアプリケーション
SIMアプリケーションの種別
UICC
UIM
R-UIM
3G
3.9G
LTE
4G
バースト転送
ハンドオーバー
移動通信におけるハンドオーバーとは、端末が移動して基地局との接続が途切れる前に、通信環境がより良好な別の基地局へと接続先の基地局を自動的に切り換える仕組みのこと。ハンドオフとも。
携帯電話サービスにおけるハンドオーバーについては基地局側の主導で制御している。
ちなみに、ハンドオーバー以外の予期せぬ原因で接続が途切れた状況が続くと、端末側の主導で接続先の基地局を再び選択する仕組みも有り、セルリセレクションと言う。
参考情報
Impress ハンドオーバーとは 2001.11
三井情報 ローカル5Gにおけるハンドオーバーの話 2023.10
KDDI 5G ハンドオーバー 28GHz帯 2017.02
KDDI 5G ハンドオーバー 時速190km 2017.08.25
NTTドコモ 5G ハンドオーバー 時速290km 2018.04.08
MNO
MNO(Mobile Network Operator)とは、自社の移動通信網を使用してサービスを提供する電気通信事業者のこと。
MVNO
MNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、MNOから借りた移動通信網を使用してサービスを提供する電気通信事業者のこと。
SIM
SIM(Subscriber Identity Module)とは、携帯電話サービスの利用者を識別する情報などが書き込まれたICチップを、携帯電話機に付け外しできる部品としてモジュール化したもののこと。
連絡先(アドレス帳)も書き込める。
SIMの規格
SIMカード
Full-size
Mini-SIM
Micro-SIM
Nano-SIM
eSIM
iSIM
通称 | 規格 | 寸法 | 登場時期 |
---|---|---|---|
Full-size | 85.6×54×0.76mm | 1991 | |
標準SIM | Mini-SIM | 25×15×0.76mm | 1996 |
microSIM | Micro-SIM | 15×12×0.76mm | 2003 |
nanoSIM | Nano-SIM | 12.3×8.8×0.66mm | 2012 |
eSIM | embedded-SIM | 6×5mm | 2016 |
SIMカード
SIMカードとは、ICカードの形態をしたSIMのこと。
eSIM
eSIM(embedded SIM)とは、携帯電話機など端末の基板に組み込まれたSIMのこと。
iSIM
iSIM(integrated-SIM)とは、コンピューターチップに統合されたSIMのこと。
USIM
USIM(Universal SIM)とは、W-CDMAのネットワークに接続するために適用するSIMアプリケーションのこと。
USIMカード
USIMカードとは、USIMがインストールされたSIMカードのこと。
GSMネットワーク用のSIMアプリケーションも必ずインストールされている。
NTTドコモは「ドコモUIMカード」と呼んでいる。SoftBankはUSIMカード(UIMカード)と表記している。
SIMアプリケーション
2GまでのSIMと違い、3GからのUIMでは、ICチップの構成としてソフトウェア部分とハードウェア部分を明確に区別するようになった。
SIMアプリケーションとは、SIMにおけるアプリケーションソフトウェアのこと。
ちなみに、ハードウェア部分はUICCという。
SIMアプリケーションの規格
USIM(W-CDMA)
SIM(GSM)
CSIM(cdmaOne、CDMA2000)
UICC
UICC(Universal Integrated Circuit Card)とは、SIMカードのハードウェアとして用いるICカードについて策定された規格のこと。
UIM
UIM(User Identity Module)とは、2GでGSMのネットワークに対応する携帯電話機に使用されていたSIMを基礎として3Gのために改良したものについて策定した規格のこと?
海外の文献ではUIMという言葉はほとんど見られない。日本の消費者もSIMカードという言葉しか使っていない。日本の携帯電話業界だけがUIMカードという言葉を使っている?
R-UIM
R-UIMカードにはUSIMとSIM、CSIMの合計3つのSIMアプリケーションがインストールされている。
日本ではKDDIがR-UIMカードを「au ICカード」としてVoLTEに対応しない機種において使用していた。
3G
携帯電話サービスにおける3G(3rd Generation)とは、第三世代目の移動通信技術のこと。
3Gに属する通信規格には、W-CDMAやCDMA2000などが有る。
3Gのサービスは2000年頃に開始されることが期待されていた。NTTドコモは3GのW-CDMAを採用するFOMAという携帯電話サービスを2001年10月から正式に開始した。
3.9G
LTEとMobile WiMAXは技術の水準で言えば4Gに対して3.9Gに相当するものだと日本の携帯電話業界は見なしている。
しかし、海外では3.9Gという言葉はほとんど見られない。一方で、3.5Gという言葉は海外でも見られる。
LTE
3GPPは4Gの技術を長期間かけて段階的に進展させると計画した。
LTE(Long Term Evolution)とは、3GPPが4Gの通信規格として開発したもののこと。また、LTEという名の付いた一連の通信規格のこと。
実際には、ITUは4Gの技術的要件を満たす通信規格としてLTE-Advancedを勧告した。
したがって、厳密に言うとLTEは4Gでない。なお、日本ではLTEは3.9Gに属するものと見なされている。
UMB(Ultra Mobile Broadband)
ちなみに、主にQualcommから構成される3GPP2は4Gの候補としてUMBという通信規格を開発していた。
しかし、開発は中止となった。
その結果、4Gの携帯電話サービスで利用される通信規格は世界中でLTE系統のみに統一された。ただし、データ通信の部分についてはWiMAX系統も流用されている。
4G
携帯電話サービスにおける4G(4th Generation)とは、第四世代目の移動通信技術のこと。
4Gに属する通信規格は、LTE-AdvancedとWiMAX Advancedの2つのみ。
しかし、3.9GのLTEやMobile WiMAX、3.5GのHSPA+などを採用したサービスを携帯電話業界は4Gと呼んで提供し始めた。つまり、通信規格としては4Gでないものを、サービスとしては4Gと呼んだ。
そこで、消費者の混乱を避けるためか、ITUは3.9GのLTEや3Gの通信規格を発展させたものについても4Gと呼ぶことを許可する声明を発表した。
国際電気通信連合(ITU)は現地時間12月6日、ジュネーブでの会合で、LTEネットワークとWiMAXネットワークに対し「4G」の名称を使用することを公式に認めた。
ITUは声明の中で、「4Gはまだ定義されていないが、この技術の前身であるLTEやWiMAX、および現在展開されている当初の第3世代システムに比べて性能と機能において相当な水準の改善を提供するような発展した3G技術に対しても、適用してよい」と述べている。
3.9Gの通信規格
LTE
Mobile WiMAX
4Gの通信規格
LTE-Advanced
WiMAX Advanced
4Gでないが、4Gと呼んでいるもの
LTE(を利用したサービス)
Mobile WiMAX(を利用したサービス)
HSPA+(を利用したサービス)
AXGP(=TD-LTE)(を利用したサービス)
世代 | 3.9G | 4G |
---|---|---|
通信規格 | LTE | LTE-Advanced |
docomo | Xi | PREMIUM 4G |
KDDI | au 4G LTE | au 4G LTE |
SoftBank | SoftBank 4G LTE | SoftBank 4G LTE |
中継電話
中継電話とは、電話網の途中で接続した他社の電話網に切り替えて通話を継続する電話サービスのこと。
通話料は三大キャリアの半分以下になる。
固定電話サービスにおけるマイラインの電話会社と同じ企業が格安SIMでも同様に中継電話サービスを提供している。
格安SIMでは予め中継電話が組み合わせられたものが多く有り、その場合は特別な手続きが不要になっている。ただし、キャリア向けの中継電話では、まず利用登録の手続きが必要になる。
実際の利用の仕方は、中継電話アプリで発信する。ただし、最近ではOSに付属の電話アプリで自動的に中継電話を利用する仕組みも見られる。
中継電話アプリ
中継電話を利用して発信する際に、自動でプレフィックス番号を付加する機能をもつアプリのこと。
プレフィックス番号
中継電話を利用して発信する際に、電話番号の先頭に付加する番号のこと。
例として「0035」「0063」などが有り、電気通信事業者を識別する番号となっている。
バースト転送
バースト転送とは、速度制限時でも初めの何バイトかだけは高速通信できる機能のこと。
一部の格安SIMで利用できる。キャリアでは機能の有無について公に言及されていない。